(2012年11月にアメブロで投稿した記事をバックアップから再投稿しています。)
菓子パンから300Bq/kgと言うツイートをいまだに見かけます。それについて書いたつもりでしたが、説明不足で、ツイッターで、以下のご指摘がありました。
パンの生産している場所と水、牛乳、卵が汚染されていたら? 原材料は勿論、加工品生産場所と管理じゃーないですかね。 RT @takasakilive: 国内産の小麦粉がいくら汚染されようが、パンからセシウムが出る可能性は極めて低い。小麦粉の自給率調べればわかる。
この際ですから、実際のところ汚染はどうなのかと言うことを、自分のツイートの検証を含めて確認しました。
ホームベーカリーでパンを作るレシピを参考にして、水・バターの実際の汚染度から、どの程度セシウムが検出される可能性があるのかを検証しました。
参考■ パンの原材料
(出典 : http://www.yamazakipan.co.jp/stylebook/world/20070215/index.html )
卵については、使えるデータが見つけられなかったと、コンビニで売っているパンの原材料に意外と卵が少なかったので、考慮してません。
ホームベーカリーでパンを作った自分の経験と、原材料の9割以上が小麦粉と水、なので、この2つの汚染がクリアできれば、セシウムの検出の可能性はきわめて低いと考えます。(水は200ミリリットル=200グラムと計算)
それでは、検証してみます。参考までホームベーカリーでパンを作る際のレシピです。(計算ミスや間違えがありましたら、ごめんなさい。)
1斤433グラムの原材料です。
小麦粉 250g
バター 10グラム
砂糖 17グラム
スキムミルク 6グラム
塩 5グラム
冷水 200ミリリットル
ドライイースト 2.8グラム
合計490.8グラム
1キログラムあたりの原材料に修正します。
(2.3倍にします。)
小麦粉 575g
バター 23グラム
砂糖 39グラム
スキムミルク 14グラム
塩 11.5グラム
冷水 460ミリリットル
ドライイースト 6.4グラム
レシピ及びパンの重量は横浜市民測定所の情報を参考にさせていただきました。
牛乳からバターへの移行率は4.6%
10Bq/kgの牛乳(最大の想定汚染度)から製造されたバターの汚染は0.46Bq/kg
23グラムあたりでは0.01058Bq/kg
牛乳からスキムミルクへの移行率は81.6%
10Bq/kgの牛乳(最大の想定汚染度)から製造されたスキムミルクの汚染は8.16Bq/kg
14グラムあたりでは0.11424Bq/kg
(移行率の出典:「食卓にあがった放射能」56ページ)
2012年11月現在の検査では、福島県の牛乳でも、検出下限値6.2Bq/kg程度で不検出のため、10Bq/kgの牛乳と言う数値は保守的(安全志向の高い)な数字で計算しました。
福島県の水道水の平成24年4月から6月のセシウム検出データは0.008Bq/kg(134と137の合算)
他の関東・東北地方と同様な測定結果です。
460ミリリットルでは0.00368Bq/kg
元データがないので、2013年の1月のデータを載せています。(計算式は変えていません。参考データです。)
→ 元リンクは消えています。(出典:文科省 http://radioactivity.mext.go.jp/ja/contents/6000/5879/24/194m_0801.pdf)
卵については、レシピにないために考慮してません。参考まで、福島県の鶏卵の検査結果を見ることが出来るデータベースを紹介いたします。
2012年9月以降、鶏卵では下限値10Bq/kgで検出された実績はないようです。
小麦粉の汚染度は考慮せずに、牛乳の汚染度を10Bq/kgと仮定して、ホームベーカリーで作ったパンの計算上のセシウム合計は最大で0.132Bq/kg
0.132Bq/kg=0.01058Bq/kg+0.11424Bq/kg+0.008Bq/kg
机上の数字ですが、小麦粉が汚染されていなければ、少なくとも、NaIシンチレーターでは測定できないレベルです。
参考
原発事故以前と事故後のセシウム摂取量のデータ
■新潟県■福島県
僕が知る限りで、牛乳の最高の汚染は、セシウム合算で39ベクレルですが、流通品以外でそれ以上の汚染があれば、脱脂粉乳やバターもそれなりに汚染されます。
加工食品の場合には、原材料の割合を考えて、メーカーに産地を確認し、セシウムの汚染を考えると良いのではと思います。
これを汚染と考えるか、安全と考えるか、どうかは個人の判断ですので、僕はどうこう言えません。
小麦粉が汚染されていない場合のパンの汚染度は極めて低いと思います。
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